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Showing posts from July, 2022

「初恋の悪魔」1話:サイコパスたちの水平思考は新しいイディオムになるか(2022.07.20)

 林遣都が出ている 「初恋の悪魔」 の第一話をみた。 このドラマの林遣都に似ていると言われて、確かに眼鏡とか、着ているシャツとか色々似ていた。熱が出た状態でオーバーワークに追い込み、糖分を与えずに三徹くらいさせたら、こういう言動にもなるかもしれない(なりません) どうでもいいけど、ルブタンが「元彼の遺言状」(前シーズンのドラマ)に引き続き出てきましたね。ハイブランドの靴としてアイコニックだからかな。「贅沢のために物を買いました」というときに、出しやすいアイコンになっているのかもしれない。 サスペンスの規則を転倒させる手つき 脚本は坂元裕二。さすがという感じで、探偵ものやサスペンスの規則やお約束の転倒のさせ方が面白い。 「事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起こっているんだ」をひっくり返して、モデルと妄想を使って自宅で会議をし続ける。 特に林遣都がいい。自分の恋愛感情を殺意として解釈するくらいの極端な鈍感さ。ハンニバル・レクターへの憧れ。自分をシャーロックになぞらえ、モリアーティを待望する。 でも、それだけの能力もないし、現実にはフィクション内に出てくるような「芸術的犯罪」もないし、理由のない暴力などもない。 自宅捜査会議、あるいはサイコパスたちの水平思考 全員が適度に愚かなのだが、それでも議論が進むのは、みんな常識のねじが外れたまま自宅会議を行うので、ちょっと水平思考みたいな感じになっている。言い換えると、それぞれの仮説生成自体が、それを聞く他者にとってリフレーミングになっている。 ちょっと常識からずれている、という意味でキャッチーだから「サイコパス」という言葉を使いますね。(ちなみに、自分と林遣都をなぞらえていることからわかる通り、サイコパスにディスの意味はないか、自分ごとディスっていると読んでもらうといいかなと思います。) ただ、単なるサイコパスの集まりだと恐らく議論にならない。けど、登場人物たちは互いに自分なりの強烈なこだわりがあって、その観点からの検証が入る(被害者に共感し過ぎ、合理性がないなど)。他者の言葉を、自分の妙なこだわりで反証していく。そして、こだわりがみんな違う。これ、なかなかに期待できる設定の組み方だと思う。 しかも、「天才ではないサイコパス」というのは、案外出てこなかった気がする。ポイントは、誰も名探偵ではないということ。みんな...

デザイナーを学生たちと訪ねたこと(2022.07.19)

唐突にブログをはじめようと思った(n回目)。 短文や動画のSNSに飽き飽きしてきたので、昔のインターネットの空気が吸いたくなってきました。 デザイナーと話したよ 今日は、 デザイン事務所の人たち を学生たちと訪ねた。( Balloonの公式SNS にもその様子が載っていますが、私はぼーっと着替えたばかりにTシャツで出かけてしまいました) 色々聞きたかったことはあるが、キャリアの色々な局面における変化やこだわりについて聞きたかったのだと思う。キャリアを想像する上で、色々な事例を知っておいた方がいいと思ったので。 あと、京芸で 「デザインB」という専攻 が始まるので、その話も少し先方に振ってみようと思っていた。 色々話したことはあるが、二つほど特に印象に残ったことがある。 その二つとは、硬く表現すれば、デザインをめぐる「哲学」と「衝動」のこと。柔らかく表現すれば、デザインする上での「骨」と「趣味」のようなもの。 ①哲学とか骨とか デザインにたずさわるとき、デザインとはそもそも何なのか、自分の軸になるものは何なのかを、定期的に問い直さざるを得ない局面があるということ。 それは、デザインという産業に近い芸術(芸術に近い産業)を「展示」しようとするとき、あるいは、言葉少ない上司などを前にして、その意を必死で汲み取る必要があるとき、「そもそも、自分にとってデザインとは何なのか、自分はデザインに何ができるのか、自分が生活の大半を費やしているこれを何だと思っているのか」ということが自然に問い直される瞬間がある。 ②衝動とか趣味とか それから、仕事上やる義務のないこと――私はそれを気楽に「趣味」と呼びたいが――をやれる人は、仕事でつまずいても強いということ。というか、恐らく、本質的な意味で仕事につまずくことがない。 ここでいう「趣味」は、仕事になんとなくフィードバックされうるもの。 例えば、人文社会科学系の研究者が、漫画や映画を膨大にみて、それについて調べ、考え続けているとき、それは純粋に無意味なことというより、どこかで仕事につながっていくことがある。それが研究テーマになることもあるし、そこで養った「眼」が別の場所で使えることもある。 あ、そうそう。あと、もう一つある。 (二つとかいうと、もう一個続きがち。) ③数のもたらす経験と直観 数によってたどりつける場所があるということ。ロゴ...